3/14 3/16 池袋ミカド劇場

 

 

月曜日。美容院でブリーチの追加とカラーリングをしてから向かうと、2回めの終盤に差し掛かっていたところ。立ち見席を見やると、示し合わせてもいないのに結城さんと武藤さんが居る、他の場所でも何度か見た光景。いつメンって…こういうコト?!

 

水曜日(今日)は、近所でよく遊びに行っている高円寺の韓国雑貨店、「PKP」のなつよさんを初ストにご案内。開場時間くらいに行ってみたら思ったよりも先の順番になってしまったので、流れで初めてのかぶりに座ってみたりもした。

半日座ってみてやっぱかぶりはまだ早いんかしらと思ったんだけど、六花ましろさんの、ただでさえ美しいお御足でのポーズベットが、かぶりではほとんど恍惚となるくらいの強度で目に入ってきたり、踊り子さんとの触覚的な距離感の生じる(あるいは距離感がなくなっていく)実感であったり、という収穫もあった。

 

 

きららさんは4個出しで、2日間で2個ずつ観る。

旧作も含まれているけど、既に今年のカムバ演目(?)が入りきらないという多作ぶり。

これまで自分の見てきた演目が『madness』『tokyo』など、重いトラップビートで踊りまくる演目が多かったというのもあって、そうした作品の系譜を汲む『ガネーシャ』以外の3作が単純に目新しいきららさんの側面として、それぞれに発見があった。

『ガネーシャ』『宮原さん』に関しては、あのきららさん固有といっていい力動性を秘めたポーズベットの形がある。ストリップのポーズにおいては、演者の動作として重力に抗する様体を現に取っている一方で、墜落への加速、というむしろそれに反する指向性もまた、見て取れるような気がする。

言い換えると、きららさんのポーズベットにはポーズそれ自体の(重力に抗する身体としての)重量感と、その後、ポーズを切ったのとは非連続的にせり上がる(というのが最も適切に思える)脚の力動の加速的知覚、という二つのフェーズを体感する契機がある…これは筋の動きがべらぼうに速いということではなくて、観ていて「はやくなっちゃっている」としか言えないような感覚、リニアな時間を脱線し即自に至る墜落の加速であって、Jinmenusagiがラップするところの「はやいはやいはやい」「はやすぎるよ」、である。

 

 

 

 

 

いちじくさんと白雪さんを迎えた『宮原さん』のチームショー。

きららさんの演技やポーズに集中したいと思っていてもなかなかできないくらい、いちじくさんが凄まじい。2回めの自演目で登場した学生のキャラ設定をほぼ引き継いだうえでの、ファリックなイメージ、というよりはもう「それ」そのものとしてのフランスパンの扱いに舌を巻いたり(舌を巻かないで…)、これはこの演目の定型なのかもしれないが、パンという語彙と肌のぶつかり合う音とを引っかけて、「はいパンパンパンパン!!」と手拍子を要求する際の手つきや真顔であったり…。一言でいえばしょうもないのだが、そもそも変なこと、しょうもないことに、心底からかけがえのなさを見出だせる人たちが集まっているのが劇場という場なのだから、みんな大盛り上がり。

また、いちじくさんの『5スペラーズ②』では、演者は男女を行き来するような衣装替えを行うが、さらにきららさんが登場し、マスキュリンに振る舞うこともあるが互いに両義的な役割を演じていることによって、ジェンダー役割が撹乱される。きららさんと絡むときのいちじくさんは、ありきたりな感想だけども弾けるような化学反応を起こしていて目が離せない。

 

最後にもう一点、『うる星きらら』では、あるKPOPグループの、(その作者が原因で)界隈で最も忌み嫌われている日本語曲のひとつが、きららさんによって踊られる、というある意味最良の形で蘇っているということがあった。劇場でKPOPの楽曲と出会いなおす機会も珍しいことではなくなってきたものの、ここまで楽曲の聴こえ方が変わることも珍しい。

 

 

1結デビュー週に何度か拝見した、久しぶりの白雪さん。

『無常』、とくに水曜日の2回目は最高。暗闇にある立ち姿の時点で、もう異常に格好良い。M1、ネオソウルの代表的歌手によるジャズ寄りのトラック。勢い手数もかなり抑えられており、口元を隠した目元、メリハリのある目線の投げかけも相まって、じりじり引き込まれる。吹っ切れたように大振りで踊りまくるM2は押しも押されぬゲイアンセム。盆で腰を下ろしての、ヴォーギング手振りのワンエイト(ツーエイト?)が個人的なハイライト。爆上がりした!

『無常』の後のポラにはなつよさんが白雪さんの列に並んでいて、ここでの時間を楽しんでくれたということがこの2日間で何よりうれしいことだった。

 

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