2/21, 22

2/21

友安製作所で作業してから蔵前で打ち合わせ。一昨日の大和の日記をアップロードし、岡真理さんの直近の講演動画(リンク)を見る。岡さんの話をインターネットで聞くのは、京大(去年の10月)、早稲田大学、先週の藤原さんとの京大のに続き4つ目。最初の2本についてはすぐに書籍化の動きがあって、2023年のうちにもう本になっている。講演の主旨は、テーマにもよるがおおむね一貫している。反戦運動において根本に据えるべき主張はジェノサイドに抗議すること「ではない」こと、漸進的なジェノサイドに国際社会が加担していることの意識、我々において比較検討すべきは広島や長崎ではなく、日本の植民地主義的侵略と支配において行われたアジア各地での虐殺であること、等々。ただ、10月の時点と比較して決定的に違うのは虐殺・破壊の様相がガザの圧倒的広範に渡っていることで、スクリーンに映された白地図には、破壊された地域を示す赤いポイントが密集してハイライトされていた。

本棚からフランス語の問題集を解くのにいいノートを見繕っていたら、7年前の抜き書きノートが出てきた。冒頭に、「象牙の塔」の辞書的定義。執拗に、何ページにもわたって書写しようと試みて、結局一行ちょっとで辞めてしまっている、まったく記憶にない詩。それから、ヤスパース追悼式典におけるアーレントの発言。これは矢野久美子『ハンナ・アーレント』(中公新書)からの孫引き。
「人間のもっとも儚いもの、しかし同時にもっとも偉大なもの、つまりその人の語った言葉や独特の身振りは、その人とともに死んでいく、でもそれらこそ私たちを必要とし、私たちが彼を忘れないことを求めているのです。追憶は死者との交わりのなかで行われ、そこから死者についての会話が生まれ、それがふたたびこの世にひびきわたります。死者との交わりーこれを学ばなくてはなりません。」
夜中に目が覚め、そこから気分が落ち込んだまま布団にいた。

2/22

少しも元気がなく、連休中のシーシャの誘いはお断りする。
入管やクルド系の人々の話などを切り口に、結城さんとLINE。インターネットでの政治的スタンスの示し方、趨勢から外れたマイナーな方法論をとるということ。政治行為として、「声を上げる」ことと、読書と思索を続けていくこととは、等価であるだろうということ。

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