11/19 道劇

しばらく前から行く気も相当失せてた脱毛に久々行く。それからジュンク堂の人文書棚、韓国語棚。今年は年始に韓国語頑張るとか言って、6月には教室もやめて、下半期は1秒も勉強できていない。コリ文語学堂のキム・スノクさんの参考書はどれもしっかりしていてオリジナリティがあり、堅実なメソッドも実践的で優れている(今調べてみたら、『声出しレッスン』シリーズの他言語バージョンまで出ていて、メソッド考案者としてスノクさんの名前が併記されているようだ)。中級にしてはかなり骨太なディクテーション本をぱらぱらめくってみると、トランスジェンダーに関する記事なんかも目に入る。復習本を一冊挟んだあとにこれやろう、年が明けたら語学に回帰するぞ、と思ってから、いや、1頭渋谷でそれどころじゃないが…と自己ツッコミ。そして、再始動したさる原稿の締切も年末に迫ってきている。

 

一昨日は、皆勤以来二ヶ月も空けてしまっていたホーム劇場、道劇へ。東寺で満足してしまってもともと18日に行く予定だったのを取りやめたのだが、結城さんが猛プッシュするので、けっきょく次の日行くことに。

Kuuさん、3演目観たが3演目とも、こんなにだった?と訝しんでしまうくらい「Kの者」、まさしくメニヤに。選曲はKぽ1ねんせいのそれなのだが、演目としてのドラマ性をもたせている様子のない並びということも相まってやんちゃの勢いがすごい。どの回も出てきてから最後まである程度即興の幅も持たせて(当て振りも無論ある)、気侭に踊りまくる。1回目のM4、手先と足先を連動させてあやつり糸のように動かしてみせるあの芸を、フューチャーベースの2ステップビートの部分で上モノに合わせながらやっていてかっこいいアイディアだなと思った。

JUNさん、3回目に演っていた新作?。暗闇のなかで音楽が始まり、つづいて照明が…とはいかずに、ランタンが灯るとともにメイド服のJUNさんが朧げに現れる。ここだけでもう凄い。しばしば照明に生えるありのままの身体の美しさ、とか人肌の自然な美しさ、といったことがいわれるけど、ストリップでわれわれが観ているのは人工の光に照らされた身体だということを、JUNさんはランタン、という前時代的な小道具によって思い出させる。安全上不可能なことではあるけど、ランタンの中がほんとうにろうそくの火だったら、全員スト観がひっくり返るのではないか。そういう想像もあり、裸もランタンで照らしてくんないかなと思ってたら、立ち上がりでちゃんとそういう場面があって最高の気分に。面白い演目だったな…と感心してると、最後の最後にまた照明を使ったアイディアが。その効果の面白さ自体をうまく記述することはできないが、中盤の構いも含めてとにかく制作の深みを感じさせる演目だった。

それに続いてあいらさん登場。1回目『Time』もスモークのなか羽毛の舞う2回目の新作もコンディションバチバチだったが、なんと言っても3回目の『me』にとどめを刺す。復帰したての6結に道劇で観たときよりもはるかに高テンション、そしてすこぶる豊かな表情で踊られる。いいに決まっている。この3回目、恋沼さんもいちじくさんの最高の演目、『生モノちゃん』を出していた。そもそも、奈々さんが水滸伝の好漢かというようないでたちで流星鎚(ジャグリングではメテオと言うらしい)をぶんまわし、暴風のごとく舞いながらかぶり客を殺傷するトップに始まって、そして先述したあいらさんの無二の『me』で終わるという。こんないい回あるんかい。道玄坂を下りながら、結城さんと尽きない感想語りにふけった。

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