6/3
宇佐美さんの復帰週兼、ささきさんの休業前最終週。
月が変わって宇佐美さんのぼんやりにっきが終了、そして福尾匠さんの日記も昨日で終わりに。福尾さんのと違って毎日読んでいたわけではないが、内省的に踏み込んでいく内容の回は、読む側も自身の悩みと対照して、振り返る時間にもなった。上野代演の回も文体がいきいきし切っていて良かった。おもしろい日記はみんな終わってしまう。
二列目中央下手寄りで、二回目『チームショー』(「ネタバレ」を避けつつ)。基本的に「読み」を要求され続ける構成で、自分はM4あたりで一旦追えなくなって、それ以降は恣意的な受け止めに終始するしかなかった。「読み」といっても、そこでナラティブが展開されているわけではなくて、こういう物語です、と説明的なパフォーマンスがあるわけではもちろんない。結局は身体や目線が、力がどう行き交っているのかをみていくことになる。他者の実存を、徹底した他性の差異というものをどうしても見つめざるをえない契機が私たちにはあって、そして結局はその差異を肯定性として、他者の他性というものを受け止めていくしかない。そのなかでも、他我のあいだで贈与され合うものごとがあり、関係性の中で互いのうちに還元されていくものごとがあり、また欲望の行き交いがある。欲望といってもそれはロマンティックな志向性や率直な肉欲を前面に出すものではなく、実際、明示的/象徴的な行為を周到に避けている二人のパフォーマンスに、そうした徴候を見出すのは難しいように思う。そして、立ち上がりのポーズのもたれ/もつれ合うような構造を見ているとシスターフッド、というワードがどうしても浮かびかかるが、しかし包括してしまう前にいま一度、この演目のM1で、どのようなギミックが施されていたかに立ち戻らないといけないだろう。
今日はハムさんにものを渡す用事があったのだが、お礼に、とハンカチを頂いた。劇場で涙が流れたらこれで拭くように、とのこと。その後ハムさんは残ってチームショーを見て、目撃情報によれば興奮のあまり、不審に弾み運動を繰り返していたらしい。
6/4
『ab-』の、冊子のほうが刷り上がってきたとのこと。告知開始からどんどん注文が入ってると。新規が多い影響か、前号とのセット版も予想外に動く。ささきさんが熱心に宣伝してくれたのかなり大きいのではないか。梱包や発送をやるわけではないので、ただただ売れ行きを喜んでいられる。踊り子日記のほうはPDFですぐ読めて、早速なゆこさんがトップの感想客に。
今年初めて連日の劇場通い、パンプレ日の弛緩した大和。出たり入ったりになる。
四回目の中盤。この時間になると、花道かぶりも老人の歯抜けみたいに空席が目立ってきて、埋まっているのは正面と盆回りの何席か。しかし、プンラス客や仕事を終えてやってきた熱心な応援客が、爆発的な熱気を発してはいなくとも、集中力を失わずにステージを観ている。そういえば四回目の大和の、こういう雰囲気が心地よかったな、とようやく思い出せた。アゲハさん、今日は最終回が『vvs』。ラベンダーカラーのシルクと大和のやわらかい紫系の照明。ある意味ぴったしな季節感を醸してもいるが、『vvs』については春演目という限定的なポジションを、演目の強度が凌駕しきっているのではと思う。何を話したわけでもないが、この日はポラでいつもより笑い合った気がした。