12/14

令和最長うつをこじらせてくすぶっているからなのか分からないが、有楽町の職場の近くに結城さんが来てくれたのでトルコ料理屋でランチをした。原稿一字も進められないなどと軽口を叩いたら向こうは何やら整ってきたようすで、肩透かしを食らう。お互いに韓国語の参考書をなぜか持っていて、勉強においてどのように活用できそうかについて話したりもする(ふたりとも、大なり小なりストリップに首突っ込んだことが影響して語学の勉強が滞っている)。たまにLINEでも韓国語の話をするが、こないだ話題に上ったのは아프다(アプダ)という動詞についてだった。

 

아프다、は端的に身体的な痛みを伴う場合はもちろんのこと、具合の悪いときにも広く使う。日本語話者だと最初は直感的に思い至らないのだが、胸が痛いとか心が痛いとかいった表現が、恋愛の歌詞の最頻出ワードでもある。

だからドラマや動画、あるいはツイッターのリプライ欄などで、だれかが아프지마세요.とか아프지 말아요.(お大事になさってください、どうか悲しまないでください。)とか言葉をかけられる場面をみるとき、何か思った以上にぬくもりや情のこもった感じを受けるのは、この아프다があらゆるつらさや痛みに対応する表現であることと無関係ではないのだろう。これらはいずれも日本語に直訳すれば「痛くならないでください」となり、少し面妖な表現となるのだが。

先日、腰を痛めている踊り子さんにリプライを送った。踊り子さんの体調にやきもきして心配面してしまうような心の動きというのは確かにある。でも、踊り子さんは友だちではないし、何よりわれわれとは異なってプロの踊り手だ。だから、直接的に何かためになることができるわけではない。ただ、身体的・神経的症状の上ではもちろんのこと、そういうときには心持ちにおいてもなるたけ安寧でいてくれたらと思う。アプジマセヨ…の意を込めながら、痛くなくお過ごしください、と書き送ったあと、うーん、やっぱ日本語としてへんかしら…などと一人でもにょもにょした。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です