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ニューアートに行った日にすでに記録を残しているが、今週はその後道劇に2回行き、ニューアートもさらに2回おかわりした。1週間、テンションが下方に変動することなく劇場に通いつづけた経験は、今までなかった(去年の9頭にしても初日は外そうと考えていたし、皆勤週には皆勤週ならではの葛藤が多かれ少なかれ存在する)。相当楽しく時間を過ごせたのだろうし、そうした週の気分の充溢を、メモ程度にでも残しておこうと思う。

道劇の4日目。きららさんの『PINK』が、平日の1回目とはとても思えない完成度で演じられていてぶっ飛んだ。異様なまでに余裕の保たれた立ち踊りから、ベッド曲入りで2拍ごとにきららさんが重心を移し腕を軽くヒットさせるだけでこちらの張力も一気に高められる。立ち上がりでマラボーが盆から落ちそうになるのを隣のきらら客の方と一緒にあわてて押し戻し、その後のマラボーを絡めた2本目のポーズでぐんとギアがかかったような感覚。白雪さん目当てで久々同行のなつよさんもばっちり食らい、2回ともポラに並んでいた。
その白雪さんはヤバスケジュールのなかの出演。そのせいもあって?テンションが高まっていたのかいつも以上に人懐っこく、そしてものすごく良い表情で周年作を踊っていた(M1、明転から惜しみなく放たれる破顔!)。自分にとってもデビュー週からある程度継続して観ることになっている初めての踊り子さんで、そういう人が徐々にストリップの文法に馴染んでいきながら、ただそれ一色に染まることもなく自分のフィールドと接続するように活動を続けている姿を、とても好ましく思う。
そして同じく周年週ののばらさん。10月〜11月の栗橋、12月の渋谷と続けて観るなかで格別にこの人のポーズに感興を覚えるようになっていたけれど、周年作『プロローグ』の1本目のエルに深く、深く充足を感じたし、27日に観た『BAT』のどんどん迷いを捨てていくように切られるポーズ群にも涙した。『プロローグ』1本目のエルはスーパーエルに近い高度を目指して成形がなされるかに思えるが、そこから体幹に預けるように脚が沈み込んで…要するに力動を引き受けていくような動勢をもってエルが完成する。この「乗せ」の成形は、(周年作に込められているであろう個人史的・実存的なストーリーに絡めて読み込むこともできるのだろうけど、それは措くとして)のばらさんのポーズ探求の試みの延長上に結実した、ものすごく説得力のある成果のように思えた。ところで、今週はきららさんとのばらさんが午前中?に『YES or YES』や『What is Love?』のダンスレッスンを終えてからステージに上がっているとのことだった。白雪さんもメイク変えたらTWICEになれちゃったかも…とか言ってるので道劇TWICEしかおらんやん、TWICE観に行こなどと軽口を叩いていたらフィナーレで本当に『YES or YES』を観られたり、お見送りのあと居残りで踊らされたりした。次の日の周年イベントもこのテンションのまま行ったんだろうな(なゆこさんの楽しそうなイラストを見ながら

 

ニューアートは26日と28日で環境が激変。28日は演目シャッフルがあるとこうまで人が集まるのかという混雑で、ロビーに出たら身動きも取れない状態(先生の「点呼」によれば66人)。ただ、演目シャッフルの面白さは麗先生とせりな先生が似顔絵を描き合う『GTR(S)』や、あの友坂さんをして恥ずかしくて誰とも目を合わせられなかったという『バニー』で、十分すぎるほどに理解できた。すおーさんのキャラ立ちも素晴らしかった。本当に傑出した2演目、この日は計5回観ることに。後半になって現れた何組かの一見さんには、混雑ぶりも含めて何が何やらだっただろう。
せりなさんの『龍と牡丹』、初めて見るポニテウィッグをつけてのステージとなっていた。浜野さんの原作を倣ってとのことだったが、もともと刀を握ってのダイナミックな振りが多く、またベッドでは上を仰いでゆっくりしたタイム感に留まるシークエンスが比較的続くので、ウィッグによって全編にわたって見映えが増していて最高だった。『GTS』でのお習字、下ネタ以外見たことないのだがポラで「書きながら今日はこれじゃなかった〜と思って後悔した」とか言ってて下ネタじゃないことあるんだ…となったけど言わなかった。
そして友坂さんの『純』、また泣く。現時点でなにか言えるわけではないけれど、たとえば千里さんが髪を掻き上げるのを観るのと、友坂さんが髪を掻き上げるのを観るのとでは、全くその質感が違う。千里さんの髪がしゃらら、と流れるのと違い、友坂さんが髪を掻き上げた指を少しずつ動かすと、もっと束感を持ってそれが落ちてくる、という。端的な事実を指摘するレベルでしかないのだが、この友坂さんの比較的硬質な髪の流れ方が、たとえばM3のようなもの哀しい和音を打鍵する音の質感であったり、M4のミドルテンポのR&Bの流れるなかのタイム感と、ある種の相関をもって胸を打つというようなことがあったりもするのかしら、と仮止め的に考えたりしていた(そんなこと聞いてもしょうがないのだけど、ベッドの質感は何を優先して作ってらっしゃるのか聞いたら、メインとなる曲の主題が核にありつつもやはり音ですね、と話していた)。

 

で、今日はこれから日仏学院で『Odoriko』上映、そのあと牧瀬さんと、20日ぶりにお目にかかるアゲハさんが登壇するトークイベントが控えている。こんな良い1週間あるんかい
 

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