2025年1月3日

アトレを西に抜けて交差点を渡って、だいたい中道通りを抜けて帰宅している。日中はその落ち着いた佇まいに見合わないごった返しようで、信号を渡った勢いで通りに入っていくと、のろのろ歩く前列に阻まれて歩調を緩めざるをえなくなる。19時過ぎには店の明かりはまばらで、駅に向かっていく人はほとんどいない。家路の方向を同じくする一群のひとりとなりながら、追いつ追われつしているわけでもないが、そして昼の混雑の鬱憤を晴らすでもないが、なんとなくずんずん歩いている。まだ入ったことのない、もう店じまいをして後片付けの作業に入っている食べ物屋を通り過ぎながら、昼になんか買いにきてみようかな、と頭に浮かんだが、先週通りがかったときもそう思って、そのままだったかもしれない。

中道通りを入って数十歩くらいの地点、つまり日中私が歩調を緩めざるをえず、苛立ちながら移動しているあたりで、いつも割引のチラシを配っている、水色のベストにラスタカラーっぽいタム帽をかぶったインドネパール料理店の店員がいる。毎日と言っていいほど顔を合わせるので、一度チラシを受け取ったらその後避けるのも不自然なように思うし、とにかく態度を決めかねている。今日、交差点を渡って勢いを維持したままずんずん歩いていくと、暗い道端でタム帽の彼が通りに背を向けて、テイクアウト用のナンをステンレスの角バットから出して、アルミホイルに包んでいるところだった。彼はいつも人の流れに注意を払っているが、今はそうではない。彼の姿を見たのはこれが初めてだ、と思った。

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